婦人科

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Gynecological practice

婦人科診療

当院では、女性が女性らしく生き、子どもを産み育てて行くためのリプロダクティブ医療の観点から、単なる不妊治療だけではなく、婦人科診療等にも力を入れています。
また、がん検診、予防接種、ご結婚や妊娠に向けたブライダルチェック、美容と健康づくりのためのプラセンタ注射・ダイエット外来等、女性の一般的な内科疾患も取り扱っておりますので、お気軽にご相談下さい。

月経不順・中枢性無月経・多のう胞性卵巣

月経不順

正常な月経の周期は、25~38日といわれています。月経不順とは、無月経や月経周期の異常などをいいます。3ヶ月以上月経が無い場合を無月経といい、ホルモン補充をしていきます。放っておくと、将来、不妊の原因となる場合があります。

中枢性無月経

無月経は原因別に、中枢性(視床下部・下垂体)、卵巣性、子宮性に分類されます。中枢性の原因としては、先天的な異常や下垂体腫瘍、拒食症や体重減少、高プロラクチン血症によるものがあります。また、甲状腺機能疾患、副腎性器症候群が不妊の原因となることなども知られています。甲状腺ホルモンの異常は、体全体のホルモンバランスが崩れ、不妊、月経不順の原因となります。治療としては、ホルムシュトルム療法(プロゲステロンの補充)、カウフマン療法(エストロゲンとプロゲステロンの補充)、高プロラクチン血症の改善、注射による排卵誘発などを行います。

多のう胞性卵巣

多のう胞性卵巣とは、排卵しない小さな卵が卵巣に貯まってしまい、正常な排卵ができなくなってしまう状態をいいます。また、ホルモン分泌が乱れることで、体の細胞に糖をエネルギーとして取り込むインスリンの働きが悪くなります。血液検査で、LH>FSHの状態、テストステロン(男性ホルモン)高値、インスリン高値を呈し、超音波検査では卵巣表面に小さなのう胞が多数認められるなどの病態を呈します。ホルモン異常により排卵障害がおきますので、挙児希望の方は排卵誘発剤や漢方療法、抗インスリン療法などを行います。肥満になると排卵しづらくなるので、適正体重を維持していくことも大切になります。

早発閉経

早発閉経

早発閉経とは、20~30代で卵巣年齢が閉経年齢に達してしまっている状態をいいます。早い時期から月経不順となり、20代で全く来なくなってしまうという場合もあります。妊娠は、不可能とは言えませんが、体外受精でなくてはほぼ不可能であり、体外受精であっても可能性は非常に低くなります。月経の状態やホルモン検査(E2・FSH・LH)、AMH(卵巣年齢検査)で診断します。
治療は、カウフマン療法といってホルモン剤を組み合わせて内服します。妊娠を希望する場合は、様々なホルモン剤を使用します。

腫瘍性疾患

卵巣

卵巣のう腫

卵巣にできた良性腫瘍の事をいいます。卵巣腫瘍の80~90%は卵巣のう腫であると考えられていますが、良性と悪性の鑑別が難しいため、きちんとした検査を受ける必要があります。主なもので4種類あります。①漿液性のう腫(しょうえきせいのうしゅ)は水のような液体が溜まった腫瘍で、最も多い種類です。②粘液性のう腫(ねんえきせいのうしゅ)は粘液が溜まった腫瘍です。③皮様のう腫(ひようのうしゅ)または成熟のう胞性奇形腫(せいじゅくのうほうせいきけいしゅ)は毛髪や歯、脂肪など入った腫瘍です。④チョコレートのう腫は20~30代の女性に多く、子宮内膜症が卵巣内に発症したものです。月経の度に出血した血液が溜まり、のう腫が作られます。
卵巣のう腫がこぶし大以上の大きさになってくると、下腹部が膨らんだ感じや違和感を感じたりすることもありますが、初期は無症状なので定期検診が重要です。検査は超音波診断・腫瘍マーカー・CT・MRIなどを行います。チョコレートのう腫の場合は子宮内膜症の治療に準じ、ピルや黄体ホルモン療法を行います。
のう腫が5~6㎝大以上になり、捻転(卵巣のう腫の部分がねじれてしまうこと)、破裂の恐れがある場合はのう腫だけを摘出する、または卵巣全体を摘出する手術が必要になります。

卵巣がん

卵巣にできる悪性のがんで、40~50代に多い病気といわれていましたが、最近では20代にも増えてきました。わが国の発症率は欧米人の1/3位といわれていますが、日本女性の発症率の急速な増加が注目されています。
「沈黙の腫瘍」といわれるくらい、初期は症状が出にくい疾患です。進行してくると、下腹部が張ったり膨らんできたり、頻尿といった自覚症状がでてきます。卵巣がんで不正出血が起こることはまれですが、がんが転移して出血することがあります。検査は超音波診断・腫瘍マーカー・CT・MRIで行います。悪性の場合は手術療法、化学療法、放射線療法になります。

子宮

子宮頸がん

子宮にできるがんは大きく2つに分けられます。1つは子宮の入り口部分にできる子宮頸がん、もう1つは奥の部分にできる子宮体がんです。
子宮頸がんのほぼ100%がヒトパピローマウイルスによる「ウイルス性のがん」で、特にヒトパピローマウイルス16型または18型によるものが大半を占めています。このウイルスは、主に性交渉によって感染します。一生のうちで、女性の80%程度はこのウイルスに感染するといわれていますが、ほとんどの場合は感染しても免疫の働きなどで90%は2年以内にウイルスが体外に排出されます。しかし、10%の確率で持続感染となり、10年程度の時間を経過して子宮頸がんを発症することがあります。初交年齢の若い人や、多産の人、セックスパートナーが複数の人、中絶回数の多い人などが統計的にハイリスクとされています。初期の段階では無症状ですが、進行するに従っておりもの異常、不正出血、性交時出血、下腹部痛などが現れてきます。
当院では、ヒトパピローマウイルスの予防にワクチンを取り扱っています。

子宮筋腫

きわめてよくある良性の腫瘍です。がんのような悪性腫瘍と違い、生命をおびやかすことはありません。
子宮筋腫はできる場所により、子宮の外側に向けて発生する漿膜下筋腫、子宮の筋層内に発生する筋層内筋腫(最も多いタイプ)、子宮の内側に向かって発生する粘膜下筋腫の3つのタイプに大きく分けられます。筋腫の部位・数などの確認のために超音波検査や、場合により骨盤MRIなどで診断を行います。
症状は月経異常や不正出血、下腹部痛などがありますが、特に症状がなく経過し、偶然に発見されることもあります。他の臓器を圧迫したり、重度の貧血になったり、不妊の原因になっていなければ経過観察となります。
治療は患者さまの年齢、筋腫の大きさ、部位、症状の程度、妊娠出産の希望の有無などにより選択されます。子宮筋腫は月経がある限り大きくなります。過多月経や月経困難などのつらい症状がある場合は積極的な治療法として、手術療法や一時的に女性ホルモンを抑え筋腫を縮小させる「GnRHアナログ」(性腺刺激ホルモン放出ホルモン誘導体)の薬物療法が行われます。妊娠の希望がある場合、手術は筋腫のみ核出する方法になります。貧血などの症状がない場合、ある程度の大きさと症状があっても閉経が近い年齢や閉経後の方などは、治療が必要ではない場合もあります。

子宮内膜症・子宮腺筋症

生理痛

生理痛の程度は女性によって様々です。生理痛の原因の一つに、プロスタグランジンという物質があります。この物質は、子宮の収縮を促して生理の経血を身体の外に排出する役割を果たします。この量が多すぎると収縮が強くなり痛みが発生します。血管を収縮させる作用もあるので、腰痛やだるさ、冷えがひどくなります。子宮内膜症や子宮筋腫なども生理痛を悪化させる原因となります。生理痛は、ストレスや睡眠不足が原因となることもあり、特に日常生活に支障をきたすようなものを「月経困難症」といいます。生理痛は我慢するものではありません。
治療方法は低用量ピルが効果的です。排卵をさせないことで、月経を調節し痛みを和らげます。鎮痛薬や、冷えなどの体質を改善をするための漢方薬の併用も効果があります。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮の内腔以外の場所で子宮内膜が増殖している状態です。病巣部も子宮内膜と同様に増殖し、周囲に炎症反応を引き起こすため、痛みや癒着などが生じる原因になると言われています。また、卵巣や卵管に癒着が生じて卵管の通りが悪くなるため、不妊症の原因にもなりうるという点も大きな問題点の一つです。
一番多いのは30代の女性ですが、20代から注意が必要です。症状は、病巣の発生部位と進行度によって異なりますが、疼痛や不正出血です。疼痛は、月経痛、下腹部痛(慢性骨盤痛)、性交痛、腰痛、肛門痛、排便痛などです。日常生活に支障をきたすほど、症状が強くでる場合もあります。当院での治療としては、低用量ピルなどがあります。

子宮腺筋症

子宮筋層の中にできる内膜症で、激しい月経痛と過多月経を起こします。不妊の原因になり、治療も内膜症の中で一番困難です。子宮腺筋症で炎症がおこると、子宮内で受精卵が着床しにくくなり不妊の原因となります。症状がない場合や軽度の場合は治療の必要はありません。また、子宮腺筋症の進行を抑える方法はありません。妊娠すると子宮腺筋症はある程度軽快するといわれています。妊娠を希望されている方は早めに妊娠されることをお勧めします
手術で子宮腺筋症の病変部分だけを切除するのは、病巣が子宮筋層内にばらまかれたような状態で存在するために、多くの場合不可能です。将来の妊娠の予定がなく、症状が強い場合は子宮全摘の手術を行います。対症療法では、一時的な症状改善を図る方法として、ダナゾールやGnRHアゴニストが使われることがあります。また、ピルを服用すると月経困難症や過多月経が改善することがあります。

感染症

婦人科の感染症には細菌性膣炎、カンジダ症、STD(性行為感染症)があります。性感染症の中にクラミジア、梅毒、ヘルペス、HIV、B型肝炎、C型肝炎、淋病、尖圭コンジローマなどがあります。淋病、尖圭コンジローマ、ヘルペス以外は血液検査で診断ができます。

細菌性膣炎

細菌性膣炎は、膣の自浄作用の低下により、大腸菌、ブドウ球菌などの一般細菌が通常以上に増殖して起こります。症状としては、おりものの増加や痒みがあります。体調の悪化や生理周期・妊娠等によるホルモンバランスの変化でこの自浄作用が低下すると、様々な菌が増殖しやすくなります。膣で増殖している細菌が上行すると子宮頚管炎や絨毛膜羊膜炎などを起こし、流産や早産の原因となる場合があります。治療方法は抗生物質の膣錠を使用します。

カンジダ症

カンジダは、性器周辺やその他の体表に存在している菌、いわゆる常在菌で、風邪など体調の悪化で免疫力が落ちると感染を起こすことがあり、主な症状は痒み、酒粕様のおりものです。痒いからといって、石けんで洗いすぎると、逆に自浄作用を弱めてしまいます。また、通気性の悪い下着や衣類による陰部の蒸れも原因となります。
治療方法は抗真菌剤の膣錠や軟膏を使用します。

クラミジア感染症

性交渉による感染症で、クラミジア菌により発症します。症状が少なく軽いため、自覚症状がなく放置すると、子宮頸管内を通過して卵管に入り、さらに骨盤内に大きくひろがって、骨盤内感染症をおこすことがあります。そのために卵管の通過障害がおこり不妊症の原因となったり、子宮外妊娠の可能性も高くなります。妊娠中の場合は、流早産の原因ともなり、早期の治療が必要になります。治療は、パートナーと同時期に抗生物質を1回服用します。

STD(性行為感染症)

性行為感染症として、梅毒、ヘルペス、HIV、B型肝炎、C型肝炎、淋病、尖圭コンジローマ、トリコモナスなどがあります。これらの性行為感染症は、卵管通過障害を起こして不妊の原因となったり、胎児に感染して胎児奇形や胎児死亡をひきおこしたり、また新生児死亡の原因になることもあります。尖圭コンジローマは、未感染であればガーダシルの予防接種で予防できます。
STDがあると、HIVに感染する割合が3~5倍高くなります。

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